内装もインテリアも綺麗なクリニックで働くスタッフの皆さんは、私にとって昔からの憧れでした。
最初に美容クリニックの仕事に憧れを持ったのは、テレビの特集で見かけてからです。
ちょっとしたバラエティ番組で紹介された美容クリニックはどこもかしこもお城のように綺麗で、大人になったらこういうところで働いてみたいと思ったものです。
当時の私は本当にその紹介シーンを気に入り、両親にも絶対に将来はクリニックで働くと宣言していました。
紹介されるスタッフさんの誰もがまるでタレントのように綺麗で、物腰も丁寧で優しい人ばかりだったことを覚えています。
成長した私は夢のことなどすっかり忘れ、学校を卒業した後は一般企業でOLとして働いていました。
事務を中心に受け持っていたため社内での立ち位置は安定しており、待遇なども比較的良かったと思います。
面倒なところがまったくないとは言えませんが、人間関係もそれなりに良好で働きやすい職場です。
それでも私はいつもここではない場所で働きたい、転職したいと考え続けていました。
本当に転職活動を始めるきっかけになったのは、転勤の辞令が出た日のことでした。
事務職の転勤は珍しいと言われましたが、新しい事業所の立ち上げのために異動を命じられたのです。
てっきりずっと同じ職場で働くとばかり思っていた私には青天の霹靂で、しかも移動先に指定されたのは今までの人生で一度も行ったことがない場所でした。